モデリズムのはてな

モデリズム・オリジナル企画の解説ページです。「メカトロウィーゴ」他、オリジナルロボットを作っています。

メカトロメイトのつくりかた

メカトロメイトはレジンキットです。

ガレージキットとも呼ばれる、

レジンというプラスチックのような材質を

ゴム型に流し込んで、手作業で量産したものです。

 

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メイトは誰にでも作ることが出来る物にすべく、

シンプルな設計をしました。

慣れれば市販のプラモデルより簡単に

組めると思います!

 

細かく解説していくので長めの記事になりますが、

内容はそれ程難しくありません。

製作法は色々あるので、これが唯一ではありませんが

一例として見て頂ければと思います。

 

1. 洗浄

レジンキットは量産時に「離型材」が使われています。

あらかじめ洗浄しておかないと、接着剤や塗料を弾いてしまいます。

 

専用の離型剤落としが色々売られていますが、

たくさんレジンキットを作る人でなければ

持て余してしまうので、ここでは台所用中性洗剤と

クレンザーを併用してみます。

 

まずは100均などで調達したボウルに

(食用の物を併用するのはやめましょう)

パーツを入れたら食器用洗剤を適量かけ、

その上に沸騰したお湯を注ぎます。

よくかき混ぜて油分が落ちる様に祈りましょう。

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熱湯をかけるとパーツが柔らかくなります。

量産時にゴム型から外す際に変形してしまったパーツ

(よくある)は、これで大体矯正されます。

 

何となく15分位放置。お湯がまだ熱く、

触るとパーツが変形しそうであれば、水を加えて冷まして下さい。

 

パーツが固くなってる事を確認したら

不要な歯ブラシに洗剤とクレンザーを付けてゴシゴシ磨きます。

クレンザーくらいでは今回のパーツは傷付かないのでゴシゴシと。

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一通り磨き終わったら綺麗にすすいで下さい。

 

2018/05/24追記

しっかり洗浄したつもりでも、塗装をした際に

ペリペリ剥がれた、、という方も多いと思います。

まず上記の洗浄をした後、

思い切ってパーツ600や800番くらいのスポンジヤスリで

(数字が小さい程荒く、磨きやすい分、傷も付きやすい)

軽く全面磨いてしまえば、確実に離型剤も落とせると思います。

(その後再洗浄して下さい)

塗料の食いつきも良くなります。

最終的に全体を艶消しor艶有りクリアーでコートすれば 

ヤスリで磨いた際に少し曇った様に見える箇所も

気にならなくなります。

 

2. パーツの仕上げ

 

これがメカトロメイトの全パーツです。

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まず、ニッパーを使って不要な部分を大まかにカットします。

 

分かりやすくする為、ゲートと呼ばれる不要な部分を

オレンジで塗っています。

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大まかに切った後、更にパーツに近いところまでカット。

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その後はカッターでパーツの際まで丁寧にカットしていきます。

少しづつ慎重に。

腕の付け根の軸は、切り落とさないように注意して下さい!

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帽子パーツは裏側を綺麗に。

頭は帽子を取り付ける部分に薄い膜があるので除去。

襟パーツも裏側に不要な出っ張りがあるのでカット。

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こういった三角の出っ張りは、レジンに気泡が入らず綺麗に流れるよう

ゴム型にナイフで切り込みを入れた箇所に出来るのです。

完成後見えなくなる部分はざっくりとでいいので処理して下さい。

 

襟パーツは3mmのドリル刃を使って穴を開けて下さい。

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こちらのパーツはセンター(溝があります)で2つにカットして下さい。

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 あとは少し残ったゲート後と、

ゴム型の合わせ目に出来るパーティングラインを

ヤスリで綺麗にしていくのですが、

その作業はプラモデルの作り方と同じなので、

この辺の記事を参照して下さい。

 

ここまで下準備をしたら組み上げることが可能です。

組み上げる際には、こちらのパーツの向きにご注意下さい。

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■ 追記 ■

 

レジンキットは量産時にレジン、シリコン型が収縮する為、

原型とは微妙にサイズが変わってしまいます。

 

その為、メカトロメイトのボールジョイントや腕付け根など

そのまま組むとユルユルな場合があります。

 

そんな時はこちらのタミヤクラフトボンドをお使い下さい。

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ウィーゴの肩パーツなど、

取れやすいパーツの固定にもおすすめ。

速乾性の木工用ボンドみたいな物なので、

強く引っ張れば外せますし、

水溶性なので水で綺麗に落とすことも可能です。

 

メイトの場合、可動しない部分

(頭頂部の帽子、襟、ボールジョイント基部)は

瞬間接着剤で固定がおすすめです。

その他可動部の緩み対策にクラフトボンドを使います。

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ボール部分や、穴にちょんとボンドを付けて、あとはパーツを取り付けて下さい。

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ボンドが乾燥すれば緩みも解消されていると思います。

足りなかったらまたボンドをちょん付けで。

はみ出した部分は水を含ませた綿棒などで 拭い取って下さい。

 

3. 塗装

塗装をする方は、先程までの工作が終わったところで

再度中性洗剤+歯ブラシで洗浄しておいて下さい。

手の油分や削りカスを落としましょう。

 

「うすみどり」「おれんじ」はそのまま組むとこうなります。

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今回は成型色を活かして部分塗装で仕上げます。

大きめのマスキングテープをなるべくシワが入らない様に貼る。

爪楊枝で溝部分を押さえ、カッターの刃を新品にしてカット。

塗りたい部分のテープを剥がずとこうなります。

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 胴体はこんな感じ。

腕は2mm以下に切った細いマスキングテープを境界線に巻く。

その後全体を覆って下さい。

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塗装にはエアブラシを使用しました。

乾燥後、テープを剥がしたのが右画像。

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お好みの缶スプレーで塗るのも良いと思います。

勿論全部筆塗りでも。

その場合はマスキングしなくても良いかもしれません。

 

頭の帽子もエアブラシを使いましたが、

ヘッドフォンや手足のラインは筆塗りです。

ラッカー系塗料を少量小皿に取り、

リターダー(塗料の乾燥を遅らせてムラが出にくくなる)を

少量混ぜて塗ります。一回塗りが左画像。

色によりますが、4回位重ねれば下地も透けないかなと。

目はポスカを皿にとって面相筆で。

はみ出した時は水かタミヤアクリルシンナーを綿棒等に含ませて拭き取る。

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最後に艶消しクリアーの缶スプレーで全体をコートしました。

筆ムラが目立たなくなるのと、質感がちょっとかわいくなります。

(艶有りも勿論良いですが、筆ムラは目立ちます)

 

下画像、左端のスプレーを愛用しています。

缶スプレーはお湯で温めると圧が高くなって綺麗に吹けます。

オレンジキャップの物がリターダー。

今回使った筆は文盛堂の面相筆。

あと塗料皿。筆や皿はお好みで選んで下さい。

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こんな感じで、これだけ塗装しました。

1日で2体塗れました。

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使ったカラーは!

メカトロウィーゴカラーを多用しています!(CM)

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ガイアノーツさんから現在8色発売中。


実は今回の成型色「うすみどり」「おれんじ」は

メカトロウィーゴカラーの同色を元に作ってもらいました。

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「あいぼりー」はレジンの元々の素材色なので、

顔部分を塗装する際には、ウィーゴカラーの「あいぼりー」に

白を足して色味を似せて塗っています。

他のカラーは市販品のままです。

ウィーゴカラー以外の塗料も、サフ以外はガイアノーツの市販品のまま。 

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といった感じで。

細かく説明した事で、逆に

「大変そう、、」と思われそうでヒヤヒヤですが。

大丈夫ですきっと。

 

是非お試し下さい! 

 

©︎ モデリズム / 小林和史

©︎ MODERHYTHM / Kazushi Kobayashi