モデリズムのはてな

モデリズム・オリジナル企画の解説ページです。「メカトロウィーゴ」他、オリジナルロボットを作っています。

メカトロTP レジンキットのつくりかた

メカトロ中部の新しいロボット

「メカトロTP」(ティーピー)です。

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2019夏ワンフェス直前に思いつき、

CGモデリング→出力→塗装まで3日で仕上げたロボット。

 

これを量産出来るよう各所形状を見直し、2019/11/16のデザインフェスタで販売しました。

レジンキットの価格は4000円です。

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元々最初の販売は通販で考えていたので、近日アナウンスも出来ると思います。

 

キット内容は

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・3色のレジンパーツが16個

・組立に使うネオジム磁石が12個

(製品ではレジンパーツの袋に封入)

・2つ折り4面カラーの組立説明書。

・パッケージ絵(実はシールです!)

 

説明書では

・レジンパーツの洗浄方法

・使用工具の一例

を掲載していますが、ここではもう少し細かく説明していきます。

細かく書くことで記事が長くなり、かえって難しく見えてしまう弊害もあるのですが、、、(苦笑)。

 

・レジンパーツの洗浄

レジンキットは量産時に「離型剤」と呼ばれる油の様な物が使われています。

その為触ると少し油分を感じますし、塗料や接着剤を弾いてしまいます。

 

この離形剤を落とす為には専用のクリーナーや色々な方法があるのですが、ここでは比較的身近な物を使います。

 

100均で安いボールなどを用意し(*食用には使わないこと)油がよく落ちそうなキッチンクリーナーを全面にかけます。

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5分くらいおいてから、熱々のお湯を注いで5分くらい放置。

掃除洗濯もお湯を使う方が油汚れ落ちますしね。

(時間に関しては何となくで、あまり根拠はありません。)

 

パーツを取り出し、台所用クレンザーを不要になった歯ブラシなどにつけゴシゴシと。

最後に綺麗にお湯ですすいで下さい。

これで離型剤は落ちている、といいな!

(離型剤、しつこいんです)

 

・パーツの切り出しと仕上げ

まずニッパーでおおまかに不要な部分をカットします。

(例・リスト④のパーツ)

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 説明書で不要な箇所は図示していますが、パーツをぐるりと見回した際に、明らかに変なところに突起があれば、大体それが不要な部分です。

カッターだけでもそれほど苦労無く作業できますが、ニッパーがあるとより楽です。

 

その後カッターで丁寧に表面をこそぎ取り、ヤスリ面を整えると綺麗に仕上がります。

おすすめはWAVEさんの「ヤスリスティック」シリーズですが、模型店など近くにない場合は100均のネイル用品コーナーでそれっぽいものを買って試してみて下さい。

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 ヤスリは荒い物から細かい物へ段階的に使用すると、どんどん滑らかになります。

こういうスティック状の物は便利ですが、普通の紙やすり(タミヤ/フィニッシングペーパーなど)の400番→600番→1000番と使用するのもオススメです。

 

僕は普段から模型を作るので、取り扱い店によく行きますし、応援の意味でも極力模型関連メーカーの商品を使うようにしていますが、「このキットだけ作りたい」といった方はコスト優先で道具を選んで頂いて大丈夫だと思います。

「これじゃなきゃ出来ない」って事はあまり無いです。ただ専門用具は使いやすい物も多いです。

 

他のパーツも同様に面を整えて下さい。

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色々書いていますが、カッターだけでさっと均すだけでもTPは結構作れます。

 

・磁石の扱いと組み立て

このキットにはネオジム磁石という強力な磁石が付属しています。

これは可動部の緩み対策と、他カラーとのパーツ交換が簡単に出来る様にしたかったからです。 

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その為、説明図が少し複雑に感じられるかもしれません。

磁石を使わずに接着して組み上げる事も可能ですので、お好みで選択して下さい。

 

磁石にはN極S極があります。小さい頃習いましたね。懐かしい!

向きを間違うとパーツが反発してくっつかなくなるので、そこだけ注意して下さい。

 

間違えないように、まず片面にマジック等で色を付けておくのも良いです。

(注・画像では全面塗っていますが、接着剤で溶け出すので、ちょんと印付けるくらいが良いです)

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予め凹みに瞬間接着剤をほんの少し付けて磁石をはめ込むか、磁石をはめ込んだ後、隙間に接着剤を流し込んで下さい。

はみ出した接着剤はさっと綿棒などで拭き取って下さい。

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 くれぐれもNS極の向きに注意してね!

磁石の取り付け時は、ナイフや細い金属棒に磁石を付けてパーツに組むと良いです。

太い金属やピンセットを使うと磁力のせいで剥がれづらくて難しくなります。


レジンパーツは量産時に少し収縮するので、磁石を取り付ける穴が少し浅くなっている部分があるかもしれません。

予め3mmのピンバイス(ドリル)で少し穴を深くして頂くと安全ですが、はみ出した場合はヤスリで磁石を削る事も可能です。

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材質的にプラモデル程精度が出せないので、個体差出てしまう所です。

すみません。

 

こんな感じで向きに注意して(しつこいですが!)磁石を組み込んで下さい。

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口元に付く白いパーツには表裏があります。

固定には凹みに瞬間接着剤や木工用ボンド等をほんの少量付け、パーツをはめ込んで頂ければ安心です(接着剤無しでもそれなりには保持出来ると思います)。

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 上画像の白いパーツが付いている棒状の部分は、胴体の接合に使用します。

 

下画像の様に差し込み、適当な長さにカットして組み合わせて下さい。

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・その他 ポイント

レジンキットは業者さんで量産されていますが、手作業ですのでどうしても個体差が出てしまいます。

 

少しパーツが曲がっている事がありますが、熱いお湯に漬けて頂くと簡単に修正出来ますので、お手数ですがよろしくお願いします。

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そしてレジンキットにはどうしても「気泡」が入ってしまう事があります。

検品時に気泡が多い物は除外していますが「ゼロ」にする事は難しいです。

 

ここでは大きめの気泡が入ったパーツの修正方法を紹介します。

塗装をする場合はパテ等、使いやすいマテリアルを使用頂ければ大丈夫ですが、カラーレジンを活かして作る際には、パーツに付いている不要な「ゲート」部分を利用して下さい。

画像の様な手順で修正をお願いします。

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完全に修正部分が分からなくするのは難しいですが、同じ色なので目立ち難くなると思います。

 

 あとは各パーツをバチンバチンと磁石でくっつけながら組み上げればOK!

 

・細部の塗装

メカトロTPはそのまま組むだけでカラフルな仕上がりになりますが、目と口部分や、体の長方形モールドを塗ることで更にかわいくなります。

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マッキーなどの極細ペンで描くのも良いと思いますが、僕はつや消しが好きなのでポスカをよく使っています。

上画像のTP本体にある長方形部分、黄色と水色はボスカの極細で直接。

目はポスカ極細の黒で。

 

極細と言ってもペン先は結構太いので、目などは絶対にはみ出します。

僕はペンのまま大胆に塗り、はみ出しを拭き取ったり削り取っています。

拭き取りにはアルコール(模型店にあるタミヤアクリル溶剤が少量で買いやすいです)を綿棒や筆先につけて使います。

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(水を含ませた綿棒でも落とせなくは無いです。台所洗剤を水で薄めて使うと更に落ちやすくなると思いますが、アクリル溶剤ほどは落ちない印象です)

 

量産時にレジン表面が細かな梨地になっている事が多いのですが、そういった所にはインクが染み込んで綺麗に拭き取れない場合があります。

そんな時はパーツの仕上げに使ったヤスリを使って磨いて下さい。

口元などピンポイントな箇所はカッターの刃で削り取ると良いでしょう。

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といった感じで完成です!

メカトロメイトとのサイズ比はこんな感じ。

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TPは頭部と足の付根、センターのタイヤが可動します。

3輪走行モードから、足を前後接合しての2足歩行モードに変形(?)します。

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頭の角度を変える事で口の見え方が変わる簡単なギミックですが、表情が生まれます。

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僕のオリジナルロボット5体目。

メカトロメイトに続き、シンプルながらまた違ったかわいいロボが出来ました。

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通販、ワンフェスでの販売などしばらく続けるつもりですので、よろしくお願いします。

最新情報は https://twitter.com/kobax27 こちらをチェックして下さい。

 

モデリズム/小林和史 Moderhythm / Kazushi Kobayashi

2019/11/19 記